元保育士が11月14日、勤務先の施設で保育士の女児にわいせつな行為をしたとして懲役14年の判決を受けた。
東京地裁は、2021年9月から2023年12月までの間、勤務先の認可保育園2園で、クローゼットなどの隔離された空間で3～6歳の児童7人にわいせつな行為をしたとして、長田なぐみ被告（27）に有罪判決を言い渡した。
被告はわいせつな行為の一部をスマートフォンで撮影していたとも指摘されている。
室橋英樹裁判長は、被害者が性的意図を理解できず、抵抗もできなかったと指摘し、長田被告の行為を「極めて卑劣」と非難した。
「トラウマとなる記憶は、被害者の将来の幸福に悪影響を及ぼす可能性がある」と同裁判長は述べた。判決は、子どもが「心の傷を一生癒えない」と嘆く親の気持ちを踏まえ、「子どもが安全だと思えるはずの保育園で被害が起こり、親の悲しみは計り知れない」と述べた。
長田被告は、不法性交などの罪を認め謝罪したが、「刑事責任は重大」と結論付けた。
「小さな体に地雷」
長田被告は「父の保育園を継ぐ」つもりで保育士になったが、密かに大量の児童ポルノを集めていた。
法廷で被告は「動画に映っていることをしたかった」ためわいせつ行為に及んだと述べた。
被告は「止めなければならないことは分かっていたが、心と体が全く拮抗し、制御不能になってしまった」と述べた。
長田被告は、父の保育園を継ぐ見通しが現実味を帯びるにつれ、「プレッシャーを感じた」と付け加えた。
被告は父親の経営する保育園を解雇され、今後は子どもに関わる仕事はしないとした。
法廷では、被害者の両親が仕切りの向こうから被告の陳述を聞き、被害の深刻さを訴えた。
事件後、母親に長田被告に「呼び寄せられて口に何か入れられた」と話していた少女被害者は、寝言で「やめて」と言い始めた。
「なぜ5歳の娘がこんな目に遭わなければならなかったのか」と母親は語った。「性犯罪は『魂の殺人』と表現されるのを聞いたことがあるが、まさにその通りだと思う」
別の親は「娘が成長して心的外傷後ストレス障害（PTSD）になるのではないかと不安を表明し、「小さな体に地雷をはめられたようなもの」と語った。
長田被告は「本当に申し訳なかった」と謝罪し、「私は卑劣な犯罪者でした」と認めた。
裁判所が懲役刑を言い渡しても彼は何の反応も示さなかった。
