獣医はこの肥満トラを見て目を疑った、お腹の中身を見てもっと驚いた

1. 出産を拒否したトラ

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動物園の飼育担当者であるリチャードはトラが妊娠しているのを見たとき、とても喜びました。しかし、不思議なことに、トラは出産を拒否したのです。超音波検査でトラのお腹の中を確認すると、獣医はすぐに警察に通報したのです。しかし、一体このトラに何が起こったというのでしょうか?リチャードが何か間違ったことをしたのでしょうか?

2. 警察の出動

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動物園に着いた警察官は、元気のない巨大なトラに鎮静剤を打ちました。「すみませんが、一緒に来てください。とても重要なことです」と、警察官はリチャードに言って、リチャードはショックでした。自分が何か悪いことをした覚えはありません。彼は知らず知らず悪いことをしたんでしょうか?そして、警察官は予想外の質問をリチャードに始めました。

3. 驚いた獣医

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警察官からのすべての質問に答え終えたリチャードは、手術室から獣医の叫び声が聞こえてきました。「信じられない!こんなものは見たことがない」と獣医は叫んだのです。獣医がトラのお腹の中から見つけたものとは何だったのでしょうか?動物に見慣れた獣医がこれほどまでに驚くのですから、よほど珍しいものだったに違いありません。

4. 妊娠して欲しい

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彼のトラであるカーリーのことが大好きで、自分の動物園にもっとトラが増えたらいいなと思ったリチャードは、カーリーが妊娠をして、赤ちゃんを産んでくれることを望んでいました。しかし、動物園にはカーリー以外のトラがいなかった。ゆえに、リチャードは人工授精をしてくれる施設や獣医を探すことにしました。しかし、なかなか見つかりません。

5. トラの妊娠させてくれる人を求めて

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何か月も探した後、ついにリチャードはある男性を見つけたのでした。この男性はトラに精通しており、連絡を受けてすぐに動物園に来てくれるとのことでした。そして数日後、人口授精を行い、無事にカーリーを妊娠させることに成功したのです。トラの妊娠期間は約100日間なので、3か月ちょっと待てば、かわいい赤ちゃんトラに会うことができるのです。

6. 超音波検査

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1、2週間後、リチャードは獣医に連絡して、カーリーが本当に妊娠しているのかを確認するため、最初の超音波検査をしてもらうことにしました。トラを妊娠させてくれた人が、カーリーは妊娠していると言っても、実際目で確認するまでは信じられない思いでした。超音波検査が終わると、獣医は検査結果を明らかにしました。

7. 検査結果

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カーリーは無事妊娠をしていました。また、幸いにもカーリーと赤ちゃんトラのどちらにも何も問題はなく、赤ちゃんトラはカーリーのお腹の中ですくすくと成長しているようでした。リチャードは検査結果を聞いて、胸いっぱいになりました。しかし、妊娠が進むにつれて、思い通りにならないことが出てきたのです。

8. 落ち着きのない様子

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妊娠が進むにつれて、カーリーは日に日に落ち着きがなくなりました。獣医によれば、トラが妊娠中にそわそわしたり、落ち着きがなくなるのは、妊娠中によくあることだと言っていたので、リチャードはカーリーもすぐに落ち着きを取り戻すだろうと思っていました。そして、リチャードも急いで出産準備を整えたのでした。

9. 必要な措置

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獣医は、カーリーの具合がどうなっているのかをリチャードに詳しく聞きました。「最初はいつもより落ち着きがなくて動き回っていたのですが、今は元気がなくて寝てばかりいます」と、リチャードはカーリーの様子を獣医に伝えます。カーリーは出産を拒否したわけではなく、出産に苦労したのです。

10. カーリーを見守るリチャード

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獣医は麻酔銃でカーリーを眠らせる薬を打ち込みました。カーリーがしっかりと眠っているのを確認するまでしばらく待ちました。その後、獣医は超音波検査の機器をセットし始めます。獣医が超音波検査を進めている間、リチャードは息をのんで見守りました。カーリーに何か問題があるのでしょうか?リチャードが発見したふくらみの正体は何なのでしょうか?

11. 電話をかける獣医

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数分間超音波検査を使ってカーリーのお腹の中を確認すると、緊急な電話をかける必要があると獣医はリチャードに言いました。そして、その場を離れると、獣医は誰かに電話をかけ始めました。リチャードは獣医が誰に電話しているのかは知りません。ただ、まだ検査結果を聞いていなかったリチャードは、早く電話が終わって、検査結果を伝えてほしいと思いました。

12. カーリーに問題はなかった

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獣医が電話を終えて戻ってくると、カーリーもトラの赤ちゃんも健康だ、そして赤ちゃんを出産する前に、体力を回復するためにカーリーは少し休む必要があると獣医は伝えました。リチャードはカーリーを休ませることに承諾すると、獣医と一緒に動物園の事務室の中に戻ることにしました。しかし数分後、リチャードは何か聞き覚えのある音を聞いたのです。

13. 手術が必要

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カーリーのお腹の中に何かを見つけたので、それを取り出すためにカーリーは手術をする必要があると獣医はリチャードに言います。獣医が見つけたのは、本来トラのお腹の中にあるべきではないものでした。リチャードが見つけた小さな膨らみもそれが原因だったのです。現在カーリーは普通の鎮静剤を使って休んでいますが、手術用の鎮静剤を使い、適切な手術を行うには、地元の警察が所有している道具が必要でした。そのため、獣医は警察に応援を仰いだのです。

14. 顔を特定する

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警察官はリチャードがトラを妊娠させたことは何も問題がなかったと理解しましたが、そのトラを妊娠させた男性についての情報がもっと必要でした。警察官がバッグから取り出したのは、潜在的犯罪者の顔写真でした。たくさんの顔写真を見た後、リチャードは見覚えある男性の顔写真を見つけました。

15. 違法な医療行為

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警察官はすぐにこの男性について説明しました。「この男性は過去に違法な医療行為を行ったことがありました。そして、この男性の違法行為に気づいた警察は、何か問題があればすぐに通報するように獣医に知らせていたのです。今回、獣医が私たち警察に通報をくれたのは、そのためでした。彼は承認されていない新しい治療法をさまざまな動物で試していたのです。」

16. 超音波検査中に見つけた異変

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超音波検査中、獣医はカーリーのお腹の中に2つの異変を見つけました。その1つは、カーリーのお腹の中にマイクロチップが埋め込まれていたことです。警察はこのマイクロチップを探していました。これは、カーリーの妊娠を手伝ってくれた男性によって、違法で作られたものだったのです。

17. マイクロチップの取り出し

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カーリーのお腹からマイクロチップを取り出すために、警察官は獣医の手助けをしました。また、マイクロチップを取り出しただけでなく、警察官は喜んでトラの赤ちゃんの出産も手伝ってくれたのです。ついに、待ちに待った可愛らしい赤ちゃんとの対面です。なんと赤ちゃんは1頭だけでなく、2頭産まれてきてくれたのでした。

18. 100万分の1

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超音波検査中に見つけた2つ目の異変は、2頭のうち1頭だけが珍しい遺伝子を持っていたことです。手術が終わって、カーリーから出てきた赤ちゃんトラを見た獣医は、自分の目を信じることができませんでした。この希少な赤ちゃんトラは、とても美しかったのです。

19. 希少な遺伝子を持ったトラ

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1頭の赤ちゃんトラは、本当に特別な遺伝子を持って産まれてきました。この希少な赤ちゃんトラは、100万分の1の確率でしか産まれることがないと獣医はリチャードに言います。実際獣医も、このような美しいトラを見るのは初めてでした。こんな希少なトラを見ることができるだけでも幸運と言えるでしょう。

20. マキシとレリ

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リチャードはトラの赤ちゃんをマキシとレリと名付け、2頭とも動物園で飼うことにしました。その後、警察はあの男性を見つけ、無事に逮捕することができました。こうしてリチャードは、自分の動物園でトラたちに囲まれながら幸せに暮らしたのでした。

※この物語は、フィクションです。登場人物や出来事は架空であり、実在のものとは関係ありません。また、写真はイメージです。

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なぜヒキガエルは昆虫のオスばかりを食べるのか?カエルの胃袋が語る、オスの犠牲が集団を救う逆説的な自然の算段

無駄にも見える行動に隠された生態系の合理的な仕組み、それぞれが自由に振る舞った結果として多様な関係が育まれる 花粉症の、季節。スギやヒノキの花粉が大量に飛散して私の目と鼻を執拗に攻撃する。毎年この時期は憂鬱になる。 あの空を黄色く染めるほどの膨大な量の花粉は人間を困らせるばかりでほとんどが無駄になっている。もちろん、これは自然選択の結果であって、大量に花粉を飛ばす個体がより多くの子孫を残してきたからにほかならない。 生態系には膨大な無駄が生じている。今回は生物が生み出す無駄とその無駄が及ぼす効果について考える。 ジャレド・ダイアモンドの『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』(草思社)にはインドネシア、アチェの狩猟採集民の男女の行動の違いが描かれている。 男性は狩猟に出かけても手ぶらで帰ってくることが多い一方、女性は毎日ヤシの実を割って確実にデンプンを取るので、結果としてカロリー供給量では男性を上回るという。 男性の狩猟は一見無駄で非効率な行動のように見えるが、男性は大きな獲物をしとめると村の人でシェアするので、村の社会の安定に寄与している。また、狩猟はパトロールを兼ねているとの説もある。 ヒキガエルに食べられやすいのはオスかメスか 昆虫のオスとメスでも印象的な思い出がある。ポスドク時代に調査していた三宅島ではヒキガエル(アズマヒキガエル)が国内移入種として侵入しており、夜ごとたくさんのヒキガエルが道路を歩き回っていた。 三宅島のアズマヒキガエル。2012年、宿舎前にて。(写真:筆者) ギャラリーページへ 彼らが何を食べているのか知りたくなって胃の中身を調べてみたところ、カミキリムシやコガネムシの残骸がたくさん出てきた。それらの多くはオスだった(図)。 ヒキガエルの胃内容の一部。コメツキムシやカミキリムシなど甲虫類が多くみられる。(写真:筆者) ギャラリーページへ 日本のカブトムシでも、メスよりもオスのほうが捕食者であるハシブトガラスやタヌキに多く食べられるという(Kojima et al. 2014)。 このように捕食者に狙われるリスクが高まる理由としては、昆虫のオスは交尾相手を探すために積極的に動き回るためだと考えられている。 集団の中でオスが多く犠牲になっても、生き残った少数のオスが複数のメスと交尾すれば次世代の数はそれほど減らない。一方、メスが減ると卵を産む個体が減るため、次世代の個体数も大幅に減ってしまう。 単純に考えれば、オスはメスを探そうとリスクを負っているわけだが、そのほかにもオスとメスの行動の違いには意味があるのだろうか。三宅島でヒキガエルを捕まえながらそんなことを考えた。 三宅島には東京竹芝発のフェリーで朝5時頃に到着する。(写真:筆者) 花の絶滅を防ぐオスとメスの行動の違い 昆虫のオスとメスの行動の違いの意味を、花と昆虫を調べた研究でも観察することができた。 ここで発見したのは、オスとメスの違いが花の絶滅を防ぐような影響をもたらしていることだった。 オスとメスのネットワークはいろいろな点で異なっているのだが、一言でいうとオスのネットワークはメスのネットワークに比べてランダムに近く、バラけている(Kishi and Kakutani 2020, Kishi 2022)。 東京大学弥生構内で調べてみると、下図のようにオスのネットワークの方が黒い点(観察された花と昆虫の組み合わせ)がバラけて広がっている。 花と昆虫のネットワークを昆虫のオスとメスで比較したもの。花(横軸)と昆虫(縦軸)の組み合わせを黒■で示しているが、メスのネットワーク(左)のほうがオスのネットワーク(右)よりも左上に集中している。(図:筆者) ギャラリーページへ オスはあまり花を選んでいない一方、メスは訪れる花をえり好みしていることがわかる。 さらに、筆者はオスとメスを混ぜ戻したオリジナルのネットワークについて分析したところ、オスだけ、メスだけのときよりも花が絶滅しづらくなっていることを突き止めた。 オスは行き当たりばったりに花を訪れることで、メスが好まない花粉や花蜜が少ない花にも訪れて花粉を運ぶ。一方、メスは花粉や花蜜の多い花を選ぶのでそうした花はメスによって確実に受粉できる。 昆虫から見ると、多くのオスにとって花はメスを探すためのエネルギー補給となるのに対して、メスは花粉や花蜜の量によって残せる子の数が決まるという関係性がある。 このため、オスにとっては花粉や花蜜の量はそれほど問題にならないが、メスにとっては花粉や花蜜の多い花をしっかり選ぶ必要があるという違いがある。 ヒキガエルがオスばかり食べる理由 このことを花から見ると、昆虫のオスは低コスト低リターンな送粉者で、メスは高コスト高リターンな送粉者といえるかもしれない。 昆虫のオスは花粉や花蜜が少なくても来てくれるかわりに花粉を運んでくれる可能性は低い。一方メスは花粉や花蜜を多く用意しないときてくれないが、その分、花粉を運んでくれる可能性は高い。 このように、質的に異なる送粉者が混ざっていることで、結果的にさまざまな花の花粉が運ばれ、多様性が維持される。昆虫の生存が花によって維持されるとともに、昆虫が花を意識しているわけではなくとも結果的に花の受粉を助けている。昆虫の性差が花の絶滅を防ぐような効果をもたらしている。 前述のヒキガエルで考えると、昆虫のオスとメスの性差により、昆虫とヒキガエルのいずれの集団も急激に変動せず安定化する効果を生み出している。 もっとも性差がどのような意味を持ち得るのか、すべて理解するのは困難だ。ツユクサの雄しべにはニセモノと本物がある。鮮やかな黄色の雄しべに見えるものはニセモノで昆虫をだましていることがわかっている。 花と昆虫は常に与え合う関係ではない。花は昆虫をだますことがあるし、昆虫は花から蜜を盗むことがある。 このような性差が生態系でどのような意味を持つのかはいまだに明らかになっていない。性差はいまだに未知の部分が多く、それだけに奥深い。 ツユクサの雄しべにはニセモノと本物があり奥の鮮やかな黄色をした3本はニセモノで昆虫をだましている。(写真:筆者) サボりがちなアリがいるほうがエサの探索行動は効率的になる より掘り下げて考えてみれば、性差に限らず、多様な関係性があることは生存にとって重要な意味を持つ。実際、生態系の中に異なる関係が入り混じっているほうが安定化するという理論研究がある(Mougi & Kondoh 2012)。 例えば、アリのエサ探索行動を調べると、真面目な個体だけでなくサボりがちな個体が混じっているほうがエサまでの経路が短縮されて効率的になることが知られている。 生き物たちは互いを「助けよう」と意図しているわけではなく、それぞれが自由に振る舞った結果として多様な関係が生み出され、コミュニティを壊れにくくしている。 私たち人間が生きる社会もまた、多種多様な個人の行動が無自覚のうちにつながり合ってできている。地方に比べて東京などの都市部のほうが気楽だと感じる人が多いのは、都市部のほうが多様な個人を包摂しやすいからかもしれない。 それらの秘密を解き明かすことで、私たちはより暮らしやすい社会を構築できる可能性がある。 私が研究している生態学は「役に立たない」研究分野の代表格だが、生物の社会と私たちの実社会とをひき比べてつながりを見いだすことにも役割の一つはあるのだろう。