なぜヒキガエルは昆虫のオスばかりを食べるのか?カエルの胃袋が語る、オスの犠牲が集団を救う逆説的な自然の算段

無駄にも見える行動に隠された生態系の合理的な仕組み、それぞれが自由に振る舞った結果として多様な関係が育まれる

花粉症の、季節。スギやヒノキの花粉が大量に飛散して私の目と鼻を執拗に攻撃する。毎年この時期は憂鬱になる。

あの空を黄色く染めるほどの膨大な量の花粉は人間を困らせるばかりでほとんどが無駄になっている。もちろん、これは自然選択の結果であって、大量に花粉を飛ばす個体がより多くの子孫を残してきたからにほかならない。

生態系には膨大な無駄が生じている。今回は生物が生み出す無駄とその無駄が及ぼす効果について考える。

ジャレド・ダイアモンドの『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』(草思社)にはインドネシア、アチェの狩猟採集民の男女の行動の違いが描かれている。

男性は狩猟に出かけても手ぶらで帰ってくることが多い一方、女性は毎日ヤシの実を割って確実にデンプンを取るので、結果としてカロリー供給量では男性を上回るという。

男性の狩猟は一見無駄で非効率な行動のように見えるが、男性は大きな獲物をしとめると村の人でシェアするので、村の社会の安定に寄与している。また、狩猟はパトロールを兼ねているとの説もある。

ヒキガエルに食べられやすいのはオスかメスか

昆虫のオスとメスでも印象的な思い出がある。ポスドク時代に調査していた三宅島ではヒキガエル(アズマヒキガエル)が国内移入種として侵入しており、夜ごとたくさんのヒキガエルが道路を歩き回っていた。

三宅島のアズマヒキガエル。2012年、宿舎前にて。(写真:筆者)三宅島のアズマヒキガエル。2012年、宿舎前にて。(写真:筆者)

彼らが何を食べているのか知りたくなって胃の中身を調べてみたところ、カミキリムシやコガネムシの残骸がたくさん出てきた。それらの多くはオスだった(図)。

ヒキガエルの胃内容の一部。コメツキムシやカミキリムシなど甲虫類が多くみられる。(写真:筆者)ヒキガエルの胃内容の一部。コメツキムシやカミキリムシなど甲虫類が多くみられる。(写真:筆者)

日本のカブトムシでも、メスよりもオスのほうが捕食者であるハシブトガラスやタヌキに多く食べられるという(Kojima et al. 2014)。

このように捕食者に狙われるリスクが高まる理由としては、昆虫のオスは交尾相手を探すために積極的に動き回るためだと考えられている。

集団の中でオスが多く犠牲になっても、生き残った少数のオスが複数のメスと交尾すれば次世代の数はそれほど減らない。一方、メスが減ると卵を産む個体が減るため、次世代の個体数も大幅に減ってしまう。

単純に考えれば、オスはメスを探そうとリスクを負っているわけだが、そのほかにもオスとメスの行動の違いには意味があるのだろうか。三宅島でヒキガエルを捕まえながらそんなことを考えた。

三宅島には東京竹芝発のフェリーで朝5時頃に到着する。(写真:筆者)三宅島には東京竹芝発のフェリーで朝5時頃に到着する。(写真:筆者)

花の絶滅を防ぐオスとメスの行動の違い

昆虫のオスとメスの行動の違いの意味を、花と昆虫を調べた研究でも観察することができた。

ここで発見したのは、オスとメスの違いが花の絶滅を防ぐような影響をもたらしていることだった。

オスとメスのネットワークはいろいろな点で異なっているのだが、一言でいうとオスのネットワークはメスのネットワークに比べてランダムに近く、バラけている(Kishi and Kakutani 2020, Kishi 2022)。

東京大学弥生構内で調べてみると、下図のようにオスのネットワークの方が黒い点(観察された花と昆虫の組み合わせ)がバラけて広がっている。

花と昆虫のネットワークを昆虫のオスとメスで比較したもの。花(横軸)と昆虫(縦軸)の組み合わせを黒■で示しているが、メスのネットワーク(左)のほうがオスのネットワーク(右)よりも左上に集中している。(図:筆者)花と昆虫のネットワークを昆虫のオスとメスで比較したもの。花(横軸)と昆虫(縦軸)の組み合わせを黒■で示しているが、メスのネットワーク(左)のほうがオスのネットワーク(右)よりも左上に集中している。(図:筆者)

オスはあまり花を選んでいない一方、メスは訪れる花をえり好みしていることがわかる。

さらに、筆者はオスとメスを混ぜ戻したオリジナルのネットワークについて分析したところ、オスだけ、メスだけのときよりも花が絶滅しづらくなっていることを突き止めた。

オスは行き当たりばったりに花を訪れることで、メスが好まない花粉や花蜜が少ない花にも訪れて花粉を運ぶ。一方、メスは花粉や花蜜の多い花を選ぶのでそうした花はメスによって確実に受粉できる。

昆虫から見ると、多くのオスにとって花はメスを探すためのエネルギー補給となるのに対して、メスは花粉や花蜜の量によって残せる子の数が決まるという関係性がある。

このため、オスにとっては花粉や花蜜の量はそれほど問題にならないが、メスにとっては花粉や花蜜の多い花をしっかり選ぶ必要があるという違いがある。

ヒキガエルがオスばかり食べる理由

このことを花から見ると、昆虫のオスは低コスト低リターンな送粉者で、メスは高コスト高リターンな送粉者といえるかもしれない。

昆虫のオスは花粉や花蜜が少なくても来てくれるかわりに花粉を運んでくれる可能性は低い。一方メスは花粉や花蜜を多く用意しないときてくれないが、その分、花粉を運んでくれる可能性は高い。

このように、質的に異なる送粉者が混ざっていることで、結果的にさまざまな花の花粉が運ばれ、多様性が維持される。昆虫の生存が花によって維持されるとともに、昆虫が花を意識しているわけではなくとも結果的に花の受粉を助けている。昆虫の性差が花の絶滅を防ぐような効果をもたらしている。

前述のヒキガエルで考えると、昆虫のオスとメスの性差により、昆虫とヒキガエルのいずれの集団も急激に変動せず安定化する効果を生み出している。

もっとも性差がどのような意味を持ち得るのか、すべて理解するのは困難だ。ツユクサの雄しべにはニセモノと本物がある。鮮やかな黄色の雄しべに見えるものはニセモノで昆虫をだましていることがわかっている。

花と昆虫は常に与え合う関係ではない。花は昆虫をだますことがあるし、昆虫は花から蜜を盗むことがある。

このような性差が生態系でどのような意味を持つのかはいまだに明らかになっていない。性差はいまだに未知の部分が多く、それだけに奥深い。

ツユクサの雄しべにはニセモノと本物があり奥の鮮やかな黄色をした3本はニセモノで昆虫をだましている。(写真:筆者)ツユクサの雄しべにはニセモノと本物があり奥の鮮やかな黄色をした3本はニセモノで昆虫をだましている。(写真:筆者)

サボりがちなアリがいるほうがエサの探索行動は効率的になる

より掘り下げて考えてみれば、性差に限らず、多様な関係性があることは生存にとって重要な意味を持つ。実際、生態系の中に異なる関係が入り混じっているほうが安定化するという理論研究がある(Mougi & Kondoh 2012)。

例えば、アリのエサ探索行動を調べると、真面目な個体だけでなくサボりがちな個体が混じっているほうがエサまでの経路が短縮されて効率的になることが知られている。

生き物たちは互いを「助けよう」と意図しているわけではなく、それぞれが自由に振る舞った結果として多様な関係が生み出され、コミュニティを壊れにくくしている。

私たち人間が生きる社会もまた、多種多様な個人の行動が無自覚のうちにつながり合ってできている。地方に比べて東京などの都市部のほうが気楽だと感じる人が多いのは、都市部のほうが多様な個人を包摂しやすいからかもしれない。

それらの秘密を解き明かすことで、私たちはより暮らしやすい社会を構築できる可能性がある。

私が研究している生態学は「役に立たない」研究分野の代表格だが、生物の社会と私たちの実社会とをひき比べてつながりを見いだすことにも役割の一つはあるのだろう。

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乗ってわかったクルーズ人気の理由6「“人生観”が変わる」 どちらの船もそれぞれの魅力に輝いていた 2度の乗船は夫と一緒だったが、夫は「陽気で気楽でいいね。僕は、MSCにまた乗りたい」と楽しんでいた。けれど、筆者はやっぱりイギリス客船(DP)の落ち着いた雰囲気のほうが、心が休まる気はする。値段は上がるが、バルコニーがあって、海が見えたほうが絶対いい。友人が「私は絶対にイギリス船派!」と譲らない気持ちはよくわかる。 最終的には、好みの問題で、その人の人生観、今の気分、そして旅に何を求めるかで、選ぶ船が変わってくるのだろう。ただ、初めて乗る人は、きっと思うはずだ。「なんなんだ、これは」。船の上では、その連続だ。 あの「着物の紳士」が両方の船に馴染んでいたことは、印象的だった。静けさにも陽気さにも、自分らしく楽しむその姿。クルーズの楽しみ方に「こうでなければいけない」はない。年齢も、国籍も、バックグラウンドも超えて、自分らしく船の時間を楽しめば、それが最高の旅になるのだろう。 結局、いくらかかったのか 支出明細全公開 筆者が体験した、DPとMSCとの料金比較(概算)をしてみよう(同じ5泊6日、1人分)。 DPの総費用は24万~25万円だった。バルコニー付きの客室を選び、さらに高額なプレミアムパッケージを追加した。このパッケージには、無制限の高速Wi-Fi(4デバイス)、シャンパンや高級ドリンクが含まれるドリンクパッケージ、スペシャリティレストランでの食事やプロカメラマンによる撮影サービスもついており、充実したサービスを享受できた。割引などの特典を活用したため、実際には通常の価格よりもお得な料金で提供された。 一方、MSCの総費用約15万円だった。この船では内側客室を選び、1回目の乗船であるDPの体験を踏まえ、飲み過ぎを防ぐためにドリンクはその都度支払う形に。そのため全体的に費用は抑えめ。Wi-Fiも別料金で追加した。飲み物やサービスの選択肢に応じて、クルーズの楽しみ方や費用感に差が出ることがわかった。 写真提供=筆者 MSCの「イタリアンナイト」 ■ダイヤモンド・プリンセス(バルコニー付き/5泊6日/長崎・釜山)2023年 客室料金(バルコニー付き):22万円 サービスチャージ(チップ):1万1625円(1泊15.5ドル × 5泊) 港湾税などの諸費用:1万5000円 合計費用(概算):24万6600円 ちなみに、この時は、無制限高速Wi-Fi 4デバイス付きのプリンセスプレミアを追加〔スペシャリティレストラン2回無料、アルコール類が1日15杯(1杯20ドル)まで無料、プロカメラマンによる撮影と写真付き〕。 ■MSCベリッシマ(内側客室/5泊6日/鹿児島・済州島)2024年 客室料金(内側/デラックスインテリア):10万3800円 サービスチャージ(チップ):1万3500円(1泊18ドル × 5泊) 港湾税などの諸費用:3万5500円 合計費用(概算):15万2800円 ベリッシマでは、ドリンクは別支払いにしたので飲み過ぎることはなかった。Wi-Fiも別支払い。ここには含まれず。

「錯視を通してあなたの性格を発見しましょう!今すぐテストを受けて、あなたがどんなタイプの人なのか調べましょう!」

人間の脳は、何百万もの小さな接続が絶えず電気信号を交換している魅力的なネットワークです。この複雑なネットワークがあなたの思考、感情、そして最終的にはあなたの性格を形成します。クイーンズ大学の研究者によると、私たちは毎日約 6,200 の思考を処理しています。14 秒ごとに 1 つです! あなたが世界をどのように認識するかは、あなたの思考、反応、行動に影響を与えます。 では、20 の驚くべき錯視であなたの脳を試してみましょう。これらのイメージをどのように解釈するかによって、あなたの性格に関する興味深い洞察が明らかになります。 1. 円柱かシルエットか? 最初に明るい部分に焦点を合わせ、3 つの柱を明らかにしましたか? そうであれば、あなたは安定性、計画性、予測可能性を好みます。明確な目標を持ち、不確実性を避けるのが好きです。 暗い部分に気づいて最初に 2 人の人物を見た場合、あなたはより衝動的で冒険好きです。好奇心があなたを駆り立て、突発的な状況で力を発揮します。 2. 男性ですか、女性ですか? 最初に若い女性の後頭部を見た場合、あなたは生まれつき楽観的で、細部にこだわり、優しい心を持っています。あなたは他人を助けるのが好きで、意思決定には思慮深いアプローチを取ります。 しかし、最初に口ひげを生やした老人を見つけた場合、あなたは忠実で、賢明で、信頼できる人です。あなたは誠実にリードし、完璧を目指しますが、高い基準がストレスを引き起こすこともあります。 3. 爆発ですか、それとも手ですか? 画像のカラフルな中央は爆発を思い起こさせましたか? あなたは非常に組織的で、強いリーダーシップの資質を持っています。 暗い場所に親指を見た場合、あなたは深い共感力があり、常に他人のために立ち上がる準備ができています。あなたの優しさはあなたの最大の強みの 1 つです。 4....

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プロレスラー・TAJIRI緊急寄稿!トランプ「暴君政策」はプロレスのアングルだ!(2)上手に敵を作り巧妙に勝つ

しかしプロレスに携わる者として、ここでは「プロレス」ではなく「illusion」という言葉を打ち立ててみたい。イリュージョンとは、実際には存在していないものを大掛かりな舞台装置を用いることで、さも存在しているように錯覚させてしまうショーのことだ。イリュージョンを行う者を「illusionist」と呼ぶ。イリュージョニスト。ある翻訳サイトの定義によれば、「観客を驚かせるために奇術やだまし絵などを演じる人のこと」「規模の大きなパフォーマンスを行う奇術師が好んで名乗る肩書」。どちらも、プロレスの本質を的確に射抜いている。 トランプの本質をイリュージョニストであると仮定した上で、知人である現役アメリカ人レスラーらにインタビューした。彼らによるトランプ評から、現在とこれからのアメリカを分析してみたい。 「トランプ大統領のいわゆるディールは、明らかにプロレスから学んだものだ。彼はプロレスのあらゆる手法を巧みに使い、究極のヒールを演じている。彼はビンス・マクマホンから多くのことを学んだのだ。あの独自のキャラクターが確立されたのは、間違いなくビンスとの抗争後からだと確信している」(テキサス州在住、62歳・日系男性プロレスマネージャー) WWEの人気が世界的に爆発したのは、ビンスが〝暴君オーナー〟として好き勝手にふるまうキャラとなってからである。人間は、そういった人物から目が離せなくなるのだ。 プロレスに限らず人様に見られてナンボの世界において、一番の悪は「関心を持たれない」こと。トランプはそのことをプロレスから学んだのだ。 ではトランプ政権へ移行したことで、もともと距離の近いプロレス界の景気はどうなっているのか。 「現在のトランプは、次々と打ち出してくる突拍子もない提案で世界を圧倒しようとしている。そのうちの1つや2つは、本当に実現してしまうだろう。しかしこのままでは、アメリカは確実に激しいインフレに陥る。その兆候はすでに見えている。それにより、人々が最初に削減するのはプロレスのようなレジャーであり余暇だ」(マサチューセッツ州在住、32歳・白人男性レスラー) そして彼はこう続けた。 「トランプ就任後のアメリカは、友人や家族でさえ意見の対立を避けるために政治の議論を避けている。特に、トランプ支持者たちはそれを堂々とは公言できない空気が日に日に広まってきている」 ちなみに彼は共和党支持者である。さらには、こんなストレートな意見も。 「トランプの政治はプロレスと似ているわ。常に何が起きるか予測できない可能性に満ちているから」(イリノイ州在住、28歳・白人女性レスラー) これを聞いて、口論から和解に転じた、ゼレンスキーとの会談が真っ先に頭に浮かんだ。いいレスラーは自分自身の策略とふるまいで上手に敵を作り、上手にピンチに陥り、上手に逆転し勝利するものなのだ。そこからさらに頭に浮かんできたのが、石破茂総理による高額療養費制度に対する考え方の二転三転である。「私の間違いだった」という結論に着地し国民感情に寄り添う気配は、トランプ・イリュージョンに倣ったものではあるまいか。 TAJIRI:1970年生まれ。94年プロレスラーデビュー。日本のプロレス団体のほか、メキシコ・CMLL、アメリカ・ECW、WWEで活躍。現在、九州プロレス所属。172cm、82kg。著書に『プロレス深夜特急 プロレスラーは世界をめぐる旅芸人』『戦争とプロレス』(弊社刊)など。最新刊『プロレスの味わい 世界から地方に来て幸せになった男』(西日本新聞社)。