
ChatGPTの画像生成機能が大幅機能アップ
3月26日、OpenAIは、GPT-4oの画像生成機能を大幅に改善した。ChatGPTで、画像生成が簡単に行なえるようになり、Plus/Proなどの有料版だけでなく、無料のChatGPTユーザーでも利用できる。
人気は急激に高まり、OpenAIのサム・アルトマンCEOは「GPUが溶けている」と利用拡大の様子を伝え、無料プランの利用者には「1日3回まで」という制限を加えた。
一方、特定の作品のタッチに似せた作品を作る流れが増えたりした結果、「生成AIを扱う時、どこに気をつけるべきか」という点が話題にもなっている。
今回は改めてその点を振り返ってみよう。
手軽かつ的確な機能で「利用爆発」
「画像生成を少し控えてほしい。これは度を超している。ぼくらには睡眠が必要だ」(can yall please chill on generating images this is insane our team needs sleep)
OpenAI CEOのサム・アルトマン氏はそうXにポストした。
彼がそうしたくなるくらい、GPT-4oの画像生成モデルの改良は大きなものだった。
重要なのは「指示に対して的確」であることだ。
美しい絵を生成するサービスは多々ある。一方で、目的に合う画像を作り出すには、色々とプロンプトを工夫する必要があるものも多い。
だがGPT-4oの場合、シンプルな命令でもかなり的確に「それっぽい絵柄」の画像を生成するし、その中に含まれる文字もかなり正確なものになった。

日本語を含めた4コママンガを生成。この絵柄でいいかは疑問があるが、文字も正しく生成されている
写真からイラスト調にする場合のクオリティも高い。筆者の写真に似ているかどうかはともかく、「日本人に馴染みやすい」という条件はちゃんとクリアーしているように思える。

筆者の写真を「日本人に馴染みやすいイラストで」生成してもらった。似ているかはともかく、イラストとしての質は高い
言い換えれば、今回のアップデートによる画像生成は、とにかく「簡単」なのだ。しかも、あまたある画像生成AIに比べ知名度も高い。
その結果として、多くの人が「なにかに似た画像」を作り、ソーシャルメディアにポストする例が増えた。
なかでも目立ったのが「ジブリ風のイラストにする」というものだ。サム・アルトマン氏も自らのサムネイルをなんとなくそんな風に見えるものに変えていたりする。

3月30日現在での、サム・アルトマン氏のサムネイル。たしかに「ジブリ風」
「○○風」のAIに問題はないのか
「ジブリ風」のように、あるテイストへと画像を変換することは、権利上問題ないのだろうか?
結論をいえば「単にイラストを作るだけなら問題ない」。
画風やアイデアは著作権で保護される対象ではない。それに、描く行為は誰にも止める権利はない。「それっぽい画像を作る」だけなら、誰かに咎められるものではないわけだ。何枚か公開したところで、それはファン活動の領域かもしれないし、個人的な創作活動でもあるだろう。そこに問題は発生しない。
この点は、文化庁が示している資料からも読み取れる。
描いたものの画風が似ているだけでは問題はなく、「類似性」と「依拠性(既存の著作物を参照して作品を創作すること)」の両方があってはじめて侵害の要件を満たす。